はじめに

こんにちは!イノベーティブソリューション部システム開発チームの藤嶌です。

本記事では、Datadog Japan合同会社および株式会社エーピーコミュニケーションズが共催するセミナーに登壇した内容についてまとめます。

セミナーの詳細については、以下をご参照ください。
https://www.ap-com.co.jp/seminar/post-12605

現在、当社ではDatadogを導入し、株式会社エーピーコミュニケーションズの支援のもと、運用の内製化に向けた取り組みを進めています。

本セミナーでは、その導入に至った背景や当時抱えていた課題について触れつつ、実際にどのように運用改善を進めてきたのかを中心にお話ししました。

本記事では、登壇内容の概要とあわせて、伝えたポイントや得られた学びについて整理します。

セミナー概要

本セミナーは、Datadog Japan合同会社および株式会社エーピーコミュニケーションズが共催し、Datadogの最新機能や活用方法をテーマに開催されました。

クラウド移行の加速やシステム構成の高度化に伴い、運用・監視業務は年々複雑化しています。
特に少人数で体制を回している情報システム部門においては、日々の対応に追われ、改善や新たな取り組みに十分なリソースを割けないという課題が多く見られます。

「運用を効率化したいが、どこから着手すべきか分からない」
「AIを活用したいが、自社の運用にどう適用すればよいかイメージできない」

といった悩みは、多くの現場に共通するものです。

本セミナーでは、Datadogの最新AI機能に着目し、インシデントの自動分析や運用工数削減の実現方法について、デモンストレーションを交えながら解説しました。

また、実運用を見据えた導入ステップやコスト感についても触れ、参加者が自社への適用を具体的にイメージできる内容となっていました。

登壇内容

背景と課題

当社では、AWSでのシステム運用を行っている中で、運用体制におけるいくつかの課題が存在していました。

特に大きな課題として挙げられるのが「属人化」と「ブラックボックス化」です。

まず属人化の観点では、障害発生時の対応が特定のエンジニアに依存しており、対応不可の偏りや、対応スピードのばらつきが発生していました。

また、システムの状況や対応内容をビジネス側へ説明する際にもコストがかかり、組織全体での共通認識を持つことが難しい状況でした。

一方でブラックボックス化の観点では、従来利用していた監視ツールのみでは原因特定に限界があり、障害発生時の調査に多くの時間を要するケースもありました。

実際に、状況によっては原因特定までに数十時間を要することもあり、迅速な対応や再発防止の観点で大きな課題となっていました。

Datadogによる運用効率化

前述の課題に対し、当社ではDatadogの導入およびPoC(技術検証)を通じて、運用の可視化に取り組みました。

その結果、最も大きな変化として現れたのが、障害対応におけるスピードの向上です。
従来は最大で数十時間を要していた原因調査が、Datadogの導入後は数分程度で特定できるケースも見られるようになりました。

これは、メトリクス・ログ・トレースといった複数の情報を横断的に可視化できるようになったことで、システム全体の状態を一元的に把握できるようになったためです。

これにより、従来の「勘」や「経験」に依存した運用から「データ」に基づいた運用への変化が実現しました。

また、ユーザーの捜査状況を可視化する機能を活用することで、エンジニアだけでなく、ビジネス側やデザイン部門と同じ情報をもとに議論ができる環境が整いました。

このように、単なる監視ツールとしてではなく、「組織全体の共通言語」として機能する点も、Datadog導入による大きな効果の一つです。

パートナー伴走による内製化支援

Datadogの導入にあたっては、自社のみでの対応ではなく、株式会社エーピーコミュニケーションズによる伴走支援を受けながら進める選択をしました。

その背景には、ツール導入において陥りがちな課題への懸念がありました。
例えば、「とりあえず通知を出す」といったアラート設計により、不要なアラートが増え、いわゆる「アラート疲れ」を引き起こしてしまうケースや、作成したダッシュボードが十分に活用されず形骸化してしまうケースです。

これらを回避するためには、単なる設定作業だけでなく、運用設計に関する知見が不可欠であると判断しました。

また、本取り組みのゴールはあくまでツール導入ではなく「自分たちで運用を回せる状態」すなわち内製化の実現にあります。
そのため、設定代行ではなく、ノウハウの移転や運用設計の考え方の支援を受けることが重要でした。

実際には、WBSの作成やプロジェクト推進の支援を通じて、段階的に知識や運用ノウハウを社内へ蓄積していくことができ、結果としてスムーズな立ち上げにつながりました。

このように、パートナーを“作業代行”ではなく“内製化を加速させる存在”として活用することが、今回の取り組みにおける重要なポイントとなりました。

自律的運用に向けた取り組み

本取り組みは、単なるツール導入にとどまらず、自律的に運用を回せる体制の構築をゴールとして、段階的に推進しています。

まず初期フェーズでは、Datadogを活用した可視化を進めることで、システムの状態を誰もが把握できる基盤を整備しました。
これにより、障害発生時においても迅速な一次切り分けが可能となり、特定のエンジニアに依存しない対応体制の土台を構築しました。

次のフェーズでは、運用ルールやアラート設計の見直しを行い、組織内での共通基準の定着を進めています。
特に、重要なアラートを厳選することで不要な通知を削減し、“アラート疲れ”を防ぐ設計を意識しています。

将来的には、これらの取り組みを全社的に展開し、予兆検知などを活用したプロアクティブな運用の実現を目指しています。
単なる障害対応にとどまらず、システムの状態を継続的に把握し、改善につなげていく「攻めの運用」へと進化させていく方針です。

このように段階的に内製化を進めることで、少人数でも持続可能かつ柔軟な運用体制の構築を目指しています。

登壇のポイント

今回の登壇で最も伝えたかったポイントは、少人数体制における運用改善においては、単なる作業代行ではなく、内製化を前提とした取り組みが重要であるという点です。

外部パートナーに依存した運用では、一時的な負担軽減は可能であるものの、長期的にはノウハウが蓄積されず、結果として属人化や運用のブラックボックス化を招くリスクがあります。

そのため、ツール導入や運用改善を進める際には、ナレッジを社内に蓄積し、自分たちで運用を回せる状態を目指すことが重要です。

本取り組みでは、パートナーによる伴走支援を通じて知見を吸収しながら、段階的に内製化を進めていくことで、少人数でも持続可能な運用体制の構築を目指しました。

学びと今後の展望

今回が初めての登壇ということもあり、伝えたい内容を十分に表現しきれなかった点や、構成・伝え方に課題が残る結果となりました。

特に、自身の中では整理できている内容であっても、聞き手にとって分かりやすい形に落とし込む難しさを実感しました・・・。

一方で、今回の登壇を通じて、自身の取り組みを言語化し、外部へ発信する経験を得られたことは大きな収穫でした!

今後は、より分かりやすく伝えるための構成力や表現力を高めるとともに、実務で得た知見を積極的にアウトプットしていくことで、発信力の向上につなげていきたいと考えています。

おわりに

本セミナーでは、Datadog導入の背景や課題、内製化に向けた取り組みについて紹介しました。

今回の登壇を通じて、運用改善においては単なるツール導入ではなく、ナレッジの蓄積や運用体制のあり方そのものが重要であると改めて認識しました。

今後も引き続き、より良い運用体制の構築に取り組むとともに、得られた知見を発信していきたいと考えています。